(※このページは2019年11月3日に更新しました。)
米麹甘酒は腸内環境を整える3つの成分を含んでいます。
腸内環境を整える(腸が本来の機能を取り戻す)ことで、身体の不調や気分の落ち込み、便秘や肌荒れなどの改善にも期待できます。
この記事では「腸内環境を整える重要性」や「米麹甘酒がもたらす整腸作用」について書いていきたいと思います。
腸内環境を整える重要性
腸内環境 (小腸、大腸)と私たちの心身の健康は密接に関わっています。
腸内環境が乱れると、便秘や下痢、肌荒れの原因になります。また「気分が落ち込む」「イライラしやすい」など気分にも影響が出てきます。
心身ともに「健康的に生きる」ためには腸内環境を整えてあげることが重要になります。
腸の機能
腸の機能というと「消化・吸収・排泄」が思い浮かぶと思います。しかし腸の機能はそれだけでなく、免疫機能、幸せ物質の生産、ビタミンの生産など、私たち人間が生きる上で重要な機能が備わっています。
免疫機能
腸には「 腸管免疫 」と呼ばれる人体最大の免疫機能が備わっています。
免疫機能の80%は腸にあると言われています。体内に取り入れられた食べ物(栄養素)は小腸で初めて吸収されるため、身体の「入り口」である腸に免疫機能が備わっています。免疫機能はウイルスや病原菌を退治してくれる重要な機能です。
腸内環境が乱れると免疫機能も低下します。免疫機能が低下すると、ウイルスや病原菌が侵入がしやすくなり、病気や風邪をひきやすくなります。
幸せ物質の生産
腸内では、幸せな気持ちや心の安定を作る「セロトニン」、やる気を作る「ドーパミン」のもとが作られています。
セロトニンが減るとうつ病になりやすくなります。腸内環境が乱れると、セロトニンの生産が滞ります。「幸せな気持ち」で生きれるかどうかは腸内環境が鍵を握っているといえます。
ビタミンの生産
腸内ではビタミン類も生み出しています。(ビタミンB群、ビタミンKなど)
「お腹の調子が悪いと肌の調子も悪い (便秘、下痢の時など) 」ということが経験的にあると思います。これは「腸内環境が乱れることでビタミンの生産が滞る」ことが原因の一つと言われています。
ビタミンの生産が滞ることで、肌荒れになりやすくなったり、「疲れがとれない」などといった身体の不調にもつながります。
肌の状態が良くないときは腸内環境が乱れているサインかもしれません。肌の状態を改善し、美肌を目指すには腸内環境から整えることが大切です。
腸内環境を整えるメリット
腸内環境が乱れると
- 便秘や下痢になりやすくなる
- 免疫力が低下することで風邪をひきやすくなる
- セロトニンの生産が滞り、不安な気持ちになりやすくなる
- ビタミンの生産が滞り、疲労の蓄積、肌荒れになりやすくなる
腸内環境が整うと
- 便秘の改善が期待できる
- 免疫機能が正常に働き、病気にかかりにくくなる
- セロトニンの生産により心が安定しやすくなる
- ビタミンの生産により疲れが溜まりにくくなる、肌の調子が良くなる
腸内環境を整える腸内細菌の存在
人間の腸内(小腸の下部から大腸にかけて)には100種類以上、100兆個以上の細菌(腸内細菌)が住み着いていると言われています。腸内細菌の多くは大腸に住み着いています。
腸内フローラとは
腸内には多様な種類の細菌(腸内細菌)が群れを作って住み着いています。
この腸内細菌の様子がお花畑(フローラ)のように見えることから、腸内環境(腸内細菌の様子)のことを「腸内フローラ」「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」とも呼びます。
腸内環境を左右する3つの腸内細菌グループ
腸内環境を整える上で重要な働きをするのが腸内細菌です。
腸内細菌が少なかったり、悪玉菌が多く繁殖している場合は、腸内環境が乱れ、腸の機能も低下します。
腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つのグループに分かれています。
この3つのバランスを整えることで腸内環境を改善することができます。
善玉菌
身体に良い働きをする菌を善玉菌といいます。
善玉菌には乳酸菌、ビフィズス菌などがあります。乳酸菌は乳酸を作り出す働きをする細菌群です。ビフィズス菌は乳酸と酢酸を作り出す細菌群です。
乳酸菌とビフィズス菌が作り出す乳酸と酢酸により腸内が酸性に傾くことで悪玉菌が住みにくく、繁殖しにくい環境になります。
善玉菌は、ビタミンの合成、ウイルスから守る、栄養素の消化吸収を助けるなどの身体にとって良い働きをします。
悪玉菌
身体に悪い影響を及ぼす菌を悪玉菌といいます。
悪玉菌にはウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌などがあります。
悪玉菌は、腸内を腐敗させたり、発ガン性物質を育てたりなど、身体にとって悪い影響を及ぼします。
悪玉菌の繁殖は、腸内環境を悪化させて、便秘や下痢を引き起こす原因にもなります。
日和見菌
善玉菌、悪玉菌のどちらでもない菌を日和見菌といいます。
日和見菌は腸内の中で一番多いグループになります。日和見菌は、善玉菌が増えれば善玉菌に、悪玉菌が増えれば悪玉菌に味方するように、勢力が多い方に味方します。
悪玉菌が多く増えると、日和見菌が悪玉菌の勢力に加勢するため、腸内は悪玉菌が優勢になり、腸内環境が乱れます。
腸内環境を整える方法
腸内環境を整えるには善玉菌を増やし、腸内が善玉菌優勢になる状態を作ることが大切です。
善玉菌を増やすためには、 善玉菌のエサとなる成分を体内に取り入れることが必要です。
米麹甘酒の整腸作用
米麹甘酒には腸内細菌(善玉菌)のエサになるオリゴ糖と食物繊維、グルコシルセラミドを含んでいます。米麹甘酒を日常生活の中に取り入れることで腸内環境が整い、便秘や肌荒れなどの改善が期待できます。
オリゴ糖
オリゴ糖は、「糖」とつくことからもわかるように糖質の一種です。
オリゴ糖は腸内の善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌)のエサになります。エサが増えることで善玉菌が繁殖するため、腸内環境を整えるのに役立ちます。
食物繊維
「食物繊維」と聞くと便秘の改善に効果があるというイメージがあると思います。それも含めて説明したいと思います。
まず食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の二種類があります。
水溶性食物繊維、不溶性食物繊維それぞれに役割があり、食物繊維をとるときは両方を意識して摂ることで便秘の改善にも効果があります。
米麹甘酒には両方の食物繊維が含まれています。
グルコシルセラミド
甘酒には麹由来のグルコシルセラミドが多量に含まれており、グルコシルセラミドは善玉菌を増やす腸内環境改善の働きがあると報告されています。(参考文献⑤)
またグルコシルセラミドは肌の保湿効果があることも報告されており、肌荒れ改善、美肌効果も期待できる成分です。
麹由来のグルコシルセラミドは麹を多く含む醸造食品に含まれており、濁り酒、塩こうじ、味噌からも摂取できる成分です。
まとめ
- 腸は私たち人間が生きる上でとても重要な機能を持つ器官
- 腸内環境を整えることで便秘や肌荒れの改善も期待できる
- 腸内環境を整えるには善玉菌を増やすことが大切
- 善玉菌を増やすためには善玉菌のエサを体内に取り入れることが必要
- 米麹甘酒には善玉菌のエサになるオリゴ糖、食物繊維、グルコシルセラミドが含まれている
参考文献
1)「図解入門 よくわかる便秘と腸の基本としくみ」坂井正宙
2)「『腸にいいこと』だけをやりなさい!」藤田紘一郎
3)「腸で変わる!病気にならない50代からの生活習慣」藤田紘一郎
4)「体の中から元気になる『発酵菌』早わかりマニュアル」長谷川ろみ
5)「日本醸造学会誌 第112巻9号(掲載ページ:p.655-662)(発行年月:2017年9月)」阪本真由子、酒谷真以、Jannatul Ferdouse、浜島浩史、柘植圭介、西向めぐみ、柳田晃良、永尾晃治、光武進、北垣浩志 「麹で造られる醸造食品のグリコシルセラミド定量手法の検討とそれを用いた定量」