甘酒作りの大切なポイントに「かき混ぜる」作業があります。
よくかき混ぜることで糖化が促進され、甘みのある甘酒に仕上がります。
甘酒作りでかき混ぜるとき、米粒を練り潰さないようにやさしくかき混ぜていましたが、米粒を練り潰すのと練り潰さないのとでは味はどう変わるのだろうと疑問に思うようになりました。
そこで今回は「かき混ぜ方で甘酒の味は変わるのか」という実験を行ってみました。
実験に入る前に「かき混ぜる」ときのポイントと重要性を押さえておきます。
甘酒作りの大切なポイント 「かき混ぜる」
- おかゆと米麹をよく混ぜ合わせるようにかき混ぜる。
よくかき混ぜることで米麹の糖化酵素(デンプンをブドウ糖に分解する酵素)が全体に行きわたるようになります。 - 固まりやダマをほぐすようにかき混ぜる。
ダマは発酵ムラ、糖化を阻害する原因になります。 - かき混ぜることで温度を均一する。
全体の温度を均一にすることで糖化が順調に進みます。
実験内容
「かき混ぜる」作業をしっかりと行いつつ、 「かき混ぜ方」に違いをつけて2種類の甘酒を作り、味に違いが出るか飲み比べてみました。
1つは「米粒を練り潰すように」かき混ぜる。
もう一つは「米粒を練り潰さないように」かき混ぜる。
材料
- お米:150g
- 乾燥米麹:150g
- 水:3と1カップ
①炊飯器でおかゆを炊く
お米を研ぎ、水3カップを加えておかゆモードで炊きます。
おかゆを炊いている間に米麹をほぐし、半分に分けておきます。
➁おかゆに水を加える
おかゆが炊けたら水1カップを加えておかゆの固まりをほぐします。
おかゆの固まりをほぐしたら、同じ分量になるように2つに分けます。
③「かき混ぜ方」に違いをつけてかき混ぜる
白いボールの方は「米粒を練り潰すように」かき混ぜます。
米粒が潰れて、粘りが出ています。
内釜の方は「米粒を練り潰さないように」しゃもじで周りからすくうようにして優しくかき混ぜます。
④温度が下がったら米麹を加えてかき混ぜる
おかゆの温度が60℃前後まで下がったところで米麹を加えてかき混ぜます。
白いボールの方は「米粒を練りつぶすように」少し乱暴にかき混ぜます。
内釜の方も同様におかゆの温度が60℃前後まで下がったところで米麹を加えてかき混ぜます。
なるべく「米粒を練りつぶさないように」かき混ぜます。
⑤ヨーグルティアで60℃設定、8時間で発酵スタート
30分後、1時間後にかき混ぜる作業を入れました。
白いヨーグルティアは「米粒を練り潰すように」少し乱暴にかき混ぜる。
緑のヨーグルティアは「米粒を潰さないように」優しめにかき混ぜる。
以下の2つのポイントを大切にかき混ぜました。
- おかゆと米麹がよく触れ合うようにかき混ぜる。
どちらか一方はよく混ざり合っていて、もう一方は混ざり合いが不十分の場合、甘みに差が出てしまいます。米粒を練り潰さないようにかき混ぜる方もしっかりと混ぜ合わさるように注意しました。 - 固まり、ダマを作らないようにかき混ぜる。
⑥出来上がった甘酒を飲み比べてみる
左が「米粒を練り潰す」ようにかき混ぜた甘酒
右が「米粒を練り潰さない」ようにかき混ぜた甘酒
実験結果
①「甘み」
両方ともしっかりと甘みが感じられました。
若干米粒を練り潰すようにかき混ぜた方が甘さを強く感じました。しかし大きな差は感じられませんでした。
➁「口当たり」
米粒を練り潰した方がドロッとした甘酒になりました。飲み比べると米粒を練り潰さなかった方がサラリとした甘酒に感じました。
これは米粒を練り潰することで米粒の中にあるデンプンが水分中に溶け出た分、ドロッとした甘酒になったのだと思います。
③「風味(全体的な味と香り)」
米粒を練り潰すことで甘酒の味、風味に違いは感じられませんでした。
まとめ
ドロッとした甘酒にしたい場合は、米粒を練り潰すようにかき混ぜると良いでしょう。
かき混ぜるときは「しっかりかき混ぜる(米粒が練り潰れても味に違いは出ないため)」ことが大切。当たり前のことですが、実験をすることで改めてこの大切さがわかりました。甘みのある甘酒を作りたい場合は、しっかりとかき混ぜましょう。
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それではよい甘酒生活をお送りください。