米麹甘酒は砂糖が入っていないにもかかわらず、しっかりと甘みがあります。
この甘みの正体は「ブドウ糖」です。
(甘酒のブドウ糖は、お米のデンプンが米麹の酵素の働きにより分解されたものです。)
ブドウ糖は、脳のエネルギーになる重要な栄養素です。
( 甘酒の成分の約20%はブドウ糖が占めています。 )
また甘酒には「すべてのビタミンB群(ビタミンB12を除く)」が含まれています。ビタミンB群は、ブドウ糖を効率よくエネルギーに変換してくれる役割があります。
つまり、ブドウ糖とビタミンB群を含む甘酒は、脳のエネルギー補給に最適な飲み物と言えます。
ブドウ糖は脳のエネルギー源になる
ブドウ糖を説明するにあたり、まずは三大栄養素について話したいと思います。
三大栄養素とは 「糖質」、「脂質」、「タンパク質」の3つ のことを言います。
ブドウ糖は三大栄養素である「糖質」のグループに属しています。
三大栄養素には「身体のエネルギー源になる」、「身体を作る」働きがあります。
糖質、脂質、タンパク質はどれも「身体のエネルギー源になる」働きがありますが、糖質(ブドウ糖)のみが唯一脳のエネルギー源になります。
ブドウ糖は即効性のある脳のエネルギー源
糖質は化学構造の種類から「単糖類」「少糖類」「多糖類」に分けられます。
ブドウ糖は糖質の中でも「単糖類」に属しています。
単糖類とはそれ以上分解することができない最小単位の糖のことを言います。
ブドウ糖は 最小単位の単糖類のため即効性のある脳へのエネルギー源になります。
単糖類
・ブドウ糖(グルコースとも言います。)
・果糖→はちみつ、果物などに多く含まれる
・ガラクトース
少糖類
・ショ糖(ブドウ糖+果糖)→砂糖の主成分
・麦芽糖
・乳糖
・オリゴ糖
多糖類
・デンプン→ 白米、うどん、さつまいも、バナナ
・グリコーゲン
ブドウ糖は日常的に摂取している糖質
ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源として重要な糖質です。
「私たちはブドウ糖を日頃何から摂取しているのでしょうか?」
それは主に「主食」からです。
例えば白米、うどん、パスタなどデンプンを多く含むものから摂取しています。
デンプンはブドウが数多く結びついたものです。
デンプン(例えばご飯)は体内に入ると、最小単位のブドウ糖に分解されて、小腸で吸収されます。
このようにして私たちはブドウ糖を日常的に摂取して、脳のエネルギー源にしています。
甘酒のブドウ糖はご飯のデンプンがすでにブドウ糖に分解された状態になっているため、素早く脳のエネルギー源になります。
ビタミンB群はブドウ糖がエネルギーになるために欠かせない存在
ブドウ糖がエネルギーに変るには、酵素の働きが必要です。
ビタミンB群は酵素の働きを助ける補酵素になります。甘酒にはすべてのビタミンB群(ビタミンB12を除く)が含まれているため、ブドウ糖を効率よくエネルギーに変えることができます。
「ビタミンB群って?」
ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パテトン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビチオンをまとめて「ビタミンB群」と呼びます。
ビタミンB群は糖質だけなく、タンパク質、脂質の代謝にも関係する重要なビタミンです。
※ビタミンB群は水溶性ビタミンのため、体内にとどめておくことができません。意識して毎日の食事から摂るようにすることが大切です。
甘酒を飲むおすすめなシーン
糖質(ブドウ糖)は三大栄養素の中で唯一脳のエネルギー源になります。この観点から甘酒を飲むおすすめなシーンをご紹介したいと思います。
脳を使う前に甘酒を飲む(勉強、会議など)
頭を使う前は甘酒でエネルギーチャージ。
甘酒のブドウ糖はデンプンが分解された最小単位の単糖類。そのため体内で分解する必要がなく、即効性がある脳へのエネルギーになります。
朝食の代わりに
朝食を食べる時間がない、朝食を食べる習慣がない人におすすめなのが、朝食の代わりに甘酒をとることです。甘酒であればサッと済ませることができます。
ブドウ糖は睡眠中も消費し続けています。 起床後、朝食(ご飯を食べる)を摂るのは糖質(ブドウ糖)を補給する意味もあります。
「頭が働かない」「頭がボーっとする」のはブドウ糖が不足している可能性があります。
甘酒の飲みすぎには注意
糖質の摂りすぎは血糖値を上昇させます。
血糖値が高い方や、糖尿病の方は甘酒の飲む量やタイミングに注意してください。
甘酒の飲む量の目安
飲む量に制限はありませんが、一度に飲みすぎてしまわないように注意しましょう。
1日200mlを目安にするとよいと思います。
<参考文献>
1)「図解 豊かさの栄養学」丸元淑生
2)「ビタミンがスンナリわかる本」丸元淑生