ミキとは奄美大島に古くから伝わる伝統発酵飲料です。
材料はお米とサツマイモだけ!
炊いて冷ましたおかゆに生のサツマイモをすりおろして発酵させて作ります。
サツマイモの酵素がおかゆのデンプンを麦芽糖に分解して甘味を作り、サツマイモに含まれる乳酸菌が糖を分解して乳酸を出すことで爽やかな酸味を作り出します。
酸味がきいて爽やかに飲めるミキは、夏の暑い時期にピッタリのドリンクです。
今回は炊飯器を使ったミキの作り方をご紹介します。
ミキは常温で発酵させるため季節(気温)や室温によって発酵の進み方が変わってきます。
室温や発酵具合などなるべく詳しく書いていきたいと思います。
実施日
2022年8月17日(水)
材料
- お米(古古米あきたこまちを使用):150g
- 炊飯に使う水:3カップ(600ml)
- サツマイモ(茨城県産べにあずまを使用):50g
お米を浸水させる
洗米したお米に水3カップを加えて、約60分間浸水させる。
おかゆモードで炊く
おかゆを冷ます
おかゆが炊けたら、内釜を取り出して木べらでかき混ぜながら温度を下げる。
皮をむいたサツマイモを水に浸けて「あく抜き」を行う。
あく抜きを行う理由はサツマイモの変色を防ぐためです。
水に浸ける時間は15~30分くらいで大丈夫です。サツマイモをすりおろす時間から逆算して水に浸けておくといいと思います。
おかゆを冷ます工夫
夏は室温が高くなるのでおかゆが冷めにくいです。よくかき混ぜてもおかゆの温度が下がるまで時間がかかってしまいます。
少しでも早く冷めればいいなと思い、内釜の下に濡れたフキンを敷いています。
内釜から違う容器に移したり、うちわであおいだり、寒い時期であれば空気が冷たいのでよくかき混ぜることで温度が下がりやすくなると思います。
今回はおかゆが冷めるまでフキンをかけておいておきました。
フキンをかけることで熱はこもってしまいますが、おかゆが冷めるまで気にせず他のことができるので時間の有効活用ができます。
途中かき混ぜたりしながら、2時間いかないくらいまでおいておきました。
40℃以下に温度が下がったらサツマイモをすりおろしてよーくかき混ぜる
おかゆの温度が40.1℃まで下がりました。
内釜が熱くないかも確認しましょう。
すりおろしたサツマイモを加える。
最初はおかゆの粘り気でかき混ぜるのが重いですが、サツマイモの酵素の働きにより徐々に軽くなっていきます。とろとろの状態になるまでかき混ぜます。
おかゆの白い部分がなくなるまでよーくかき混ぜることがポイントです。
容器を移し替えました。
発酵スタート
発酵後は1日に一回かき混ぜながら、発酵の進み具合を確認します。
発酵開始:8/17(水)12:41
室温:28℃
発酵開始から約1日経過
日時:8/18(木)11:47
室温:26℃
お米の粒が上に浮かんできていました。
少し甘い香りと食べてみると甘味が出ていました。
サツマイモはβアミラーゼという酵素を持っています。βアミラーゼはデンプンを麦芽糖に分解する働きがあります。
かき混ぜると「プチプチ」「シュワシュワ」と音がします。
発酵開始から2日経過
日時:8/19(金)14:35
室温:29℃
お米の粒が溶けつつ、上に上がってきていました。
ヨーグルトの香り、酸味の香りが出ていました。
食べてみると酸味と甘味が感じられました。
酸味が感じられたので、この後は冷蔵庫で発酵させることにしました。
おかゆがとろとろに溶けているのがわかります。
「プチプチ」「シュワシュワ」と音がします。
発酵の見極め
ミキは常温で発酵させるため甘酒のように何℃で何時間という基準がないため、発酵の見極めが難しいと思います。
冷蔵庫に入れるタイミングは発酵の進み具合(見た目や香り、味の変化)を見て判断します。
ミキの発酵の進み方は、まずはサツマイモの酵素がお米のデンプンを麦芽糖に分解して甘味を作ります。発酵開始したときの味と一日後の味を比べてみて、甘味が出ていれば酵素が働いている証拠です。
次にサツマイモに含まれている乳酸菌が糖を分解して乳酸(酸味)を作ります。
私は酸味が出始めた頃に冷蔵庫に入れるようにしています。それが今回は発酵開始から2日目でした。
室温が高くなる夏場は発酵が早く進むため、私は今の季節だと1日~2日で冷蔵庫に移すことが多いです。
冷蔵庫に入れると乳酸発酵はゆるやかになり、徐々に酸味を増していくようになります。その変化を楽しみながら飲むのがミキの面白さでもあります。
冷蔵庫で保存
今回の分量で作ると700mlいかないくらいの量が作れます。
賞味期限は冷蔵庫で2週間以内が目安です。
ミキサーにかけると飲みやすくなります。
ミキのオススメな飲み方
炭酸で割るのがオススメです。
夏の暑さを乗り越える発酵ドリンク「ミキ」。是非お試しください。